恋の扉をこじあけろ


ショーケースを覗き込みながらひたすら悩んだ。


どうしよう、ここで買っていこうかな。


それとも手作りにしようかな。


ああ、でも手作りかぁ、

美味しくできればいいけど、先生にお腹壊されたりしたら洒落にならないし…

まずかったら、それこそ先生に引かれちゃうかも。


お、これも美味しそう…って、


だめだめ、今は先生のを選んでるの!



何度も何度も会場内をぐるぐる回って、結局買ったのは自分用だけだった。



チョコがひとつだけ入ったピンクの紙袋をぶら下げながら、自動ドアを抜けて外に出るとため息をついた。



優柔不断な性格って、疲れるな…



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