恋の扉をこじあけろ

それからレントゲンを撮って、先生はそれと睨めっこし始めた。

何回も右と左を見比べている。


もしかして、異常ないんだろうか。


急に心配になってきた。

異常がないのはいいことなのだろうけれど、ないならわたしの口が開かないのはどういうわけなんだろう。


原因がわからなくて、治せない、なんてことになったら…


わたしの楽しい食事タイムが、永遠に戻ってこない?


そんなのいやだ!


「うーん、噛み合わせ的には問題ないみたいですね。レントゲンにも特段変わったところは見られませんし」


先生の言葉にショックを受けた。


やっぱり、原因がわからないんだ…


わたしのアゴは、ずっとこのままで…今までみたいにちゃんと開いてはくれないんだ…




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