恋の扉をこじあけろ
「遊びなら、やめてください…!」
声が震えている。
彼女はそこまで言うと唇を噛んでうつむいてしまった。
わたしはただ、時が止まったかのように彼女を見ていた。
わたしには、彼女の気持ちが痛いほどわかる。
わたしが松居先生のことを好きなんじゃないか。
わたしが松居先生に媚びを売っているんじゃないか。
松居先生は、わたしのことを好きなんじゃないか…
そしてさっき、松居先生がわたしに財布を渡しているところを見てしまったんだ。