恋の扉をこじあけろ
満面の笑みが返ってきて、わたしの頬に一気に熱が集まってきた。
恥ずかしい。
先生にバレるならまだしも、第三者のお方にわたしの気持ちを勘づかれてしまうだなんて!
恥ずかしさに悶えるわたしに、戸山さんはさらに衝撃的なことを言い放った。
「実習仲間は、みんな知っていましたよ。わたしはどうでもよかったんですけど、どうでもよくない人も何人かいたみたいで、あなたのよくない噂が…流れてるんです」
「流れてる?」
「はい」
「流れてた、じゃなくて?」
「はい」
「現在進行形で?」
「現在進行形です」
「それは…ど、どんな…?」
聞くのははっきりいって怖い。
だけど自分がどんな風に悪く言われているのか気になってしまう性質のわたしは、そこに踏み込んでしまった。