恋の扉をこじあけろ
「もう!悪い冗談はやめてください!」
心臓に悪い!
「すっきりしただろ。悪い想像も全部消し去って、俺の話を聞けよ」
にやりと笑った松居先生の顔を見て、はっとした。
まさか、わたしの興奮を冷めさせるために…。
「ありがとうございます」
今さら恥ずかしくなって少し俯くと、松居先生はわたしの頭をぽんぽんと叩いた。
松居先生の手はわたしより長かった。
当たり前か。
「じゃ、俺の話を、逃げずに、よーく聞けよ…」
逃げずに、の部分を強調して、松居先生は話を始めた。