恋の扉をこじあけろ
「な、なんで川崎さんがここに!」
「なんでって。相変わらず失礼だなー」
川崎さんは不機嫌な顔をしてわたしを睨んだ。
だって。
川崎さんと冬実のツーショットだなんて。
美女と野獣カップルってのがあるみたいだけど、まさにそれを目の前にしている感じ。
ん?
カップル…?
「ねえ冬実」
「何よ?」
冬実にちょいちょいと手招きをすると、冬実はわたしの方に顔を近づけてくれた。
冬実の耳元に手を当てて、おそるおそる小声で尋ねる。
「まさかとは思うんだけど、冬実と川崎さんて…?」
「付き合ってないわよ」
「だよねぇ!」
「だよねって、おい!失礼にもほどがあるだろ!」
つい声が大きくなってしまったわたしの頭に、川崎さんはチョップをくれた。
いたーい!
この人、ほんと大人げない!