恋の扉をこじあけろ
というわけで台所にたったのだけれど、まあ、料理初心者が最初からうまくいくなんてことはそうそうないのです。
味つけには十分気をつけていたのにスープの味は薄いし、野菜の大きさもいざ食べるときになってみると思っていたよりでかい。
何より、キャベツの千切りができないことに盛大なショックを受けた。
お母さんのはふわふわになるのに…!
何この歯ごたえのよさ!
アゴによいどころか悪影響を及ぼしそう。
まずい、これはまずい。
いろんな意味でまずい。
「あんたが料理つくるなんてね~」
初めのうちはこんなものよね、なんてのんびり言っている母親の隣で、
わたしはメラメラと闘志を燃やしていた。