恋の扉をこじあけろ

すっかり冷めている卵焼きをお箸で3分の1に分けてから口に入れた。


うん、まずい!


「でも、いい傾向だね。女子力アップを目指すわけだ、琴乃は」


「さすがに大学生にもなって料理できないのは女子としてどうかと思ったの」


「気づくの遅いんだけど…。まあいいや。で、どうして女子力アップしようと思ったの?」


「えっ」


冬実に言われて、うろたえる。


な、なんでって言われても?


「それは、さっきも言った通り、自分のアゴのためと、料理できたら楽しそうって思って、ついでに女子力アップを図ろうかと…」


「だから、どうしてその女子力アップを考えたのかを聞いてるの」


頭悪いの?とでも言いたげな視線を向けられて泣きそうになった。

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