恋の扉をこじあけろ
「早く治るといいね」
本当に。
なんでこんなになっちゃったんだろう。
食べるのが大好きだったわたしに訪れた悲劇。
よりにもよって、なんで?
というか、治るの?
このまま一生、治らなかったらどうしよう…?
冷めかけの不味いポテトをぽそぽそと囓ったわたしに、冬実がにやりと笑みを向けた。
「男とチューもできないもんね」
「ぶはっ!」
食べていたポテトが変なところに入った。
テーブルの下で、冬実の足を踏んづけようとしたら、素早く逃げられてしまった。
激しく動揺したわたしを見て、ケラケラ笑う冬実が憎たらしかった。
チューとか、わたしには関係ないし…!
わたしが今困っているのは、食事のことだけだもん!
冬実のアイスティーを掴みとって一気飲みすると、憐れみの表情が返ってきた。
む、むかつく…!
絶対に治して、もとの生活を取り戻してやるんだから!!