恋の扉をこじあけろ

案の定、的井先生たちは戸惑っている。


そりゃそうだ。


「ま、的井先生っ。すみません冬実がご迷惑を!」


慌てて冬実の腕を引っ張ると、冬実はわたしを睨みつけてきた。


わたし何か間違ってる!?


「ああ、牧原さん。びっくりしたよ」


「何?祐助の知り合い?」


先生は怒りもせず、しかも相席を了承してくれた。

冬実が喜んでさっさと座ったから、わたしも座らないわけにはいかなくなっておそるおそる先生の隣に座った。


「琴乃が知ってる人がいるって言うから来ちゃいました。ね?琴乃」


そこでやっとあんみつがわたしのもとに戻ってきた。


何が、ね?よ。


内心腹を立てながら、大人しく頷いておいた。


ため息をつきながら、ちらりと先生を盗み見る。






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