恋の扉をこじあけろ
「祐助、笑ってる場合じゃないだろ!」
「そうですよ!なんで笑ってるんですか!?」
そこまで騒ぐことでもないんだけど、2人に叱られた先生はごめんごめん、と言いながらわたしの手をとった。
手をとった。
手をとったぁぁ!?
「すみません、お手洗いはどちらですか」
通りかかった店員さんにお手洗いの場所を聞くと、そのままお手洗いまでわたしを引っ張っていった。
ああ、倒れそう。
嬉しすぎて。
先生に手を握られているだなんて。
あはぁ、先生の手、あったかい~
「ほら、着いたよ。出しておいで」
先生にお手洗いに投げ込まれて、言われた通りに出してきた。
ちゃんと口も濯いだ。
スッキリしてお手洗いから出ると、先生は待っていてくれて、出てきたわたしの頭を小突いた。