恋の扉をこじあけろ

「祐助、笑ってる場合じゃないだろ!」


「そうですよ!なんで笑ってるんですか!?」


そこまで騒ぐことでもないんだけど、2人に叱られた先生はごめんごめん、と言いながらわたしの手をとった。


手をとった。


手をとったぁぁ!?



「すみません、お手洗いはどちらですか」


通りかかった店員さんにお手洗いの場所を聞くと、そのままお手洗いまでわたしを引っ張っていった。


ああ、倒れそう。

嬉しすぎて。


先生に手を握られているだなんて。


あはぁ、先生の手、あったかい~


「ほら、着いたよ。出しておいで」


先生にお手洗いに投げ込まれて、言われた通りに出してきた。


ちゃんと口も濯いだ。


スッキリしてお手洗いから出ると、先生は待っていてくれて、出てきたわたしの頭を小突いた。


< 54 / 278 >

この作品をシェア

pagetop