恋の扉をこじあけろ
破壊事件
今日は水曜日で、診察日。
わたしはいつも通り診察台の上で、的井先生にエプロンをつけてもらうのを楽しんでいた。
あの白玉事件以来、的井先生との距離はぐっと縮まった気がする。
なんか、うれしい。
「スプリント出来たよ。ちょっとつけてみて」
先生に渡されたスプリントを、先生につけ方を教わりながらつけてみる。
おおー、なんか気持ち悪い。
ものすごい違和感。
的井先生は噛み合わせを確認して、少し調節するからと言ってわたしからスプリントを奪い返し、わたしの背後でそれを削りはじめた。
待っている間、何もすることがなくてヒマなので、先生に話しかけてみようと上半身を後ろに捻った。
今までは遠慮してたけど、ちょっと仲良くなれたし…
いいよね?
「あの、的井先生」
「なに?」