恋の扉をこじあけろ
ほっ、と胸を撫で下ろした。
よかった…。
お姉さんが三割増しで美人に見える。
迷子のアヒルの子ようにお姉さんについていき、受付に案内してもらって、無事に手続きを済ませた。
歯科は病院の4階。
案内表を手に、のんびりとしたスピードのエスカレーターでのんびりと向かう。
待合室にはお年寄りばっかりで、若い人はいなかった。
「こんにちは」
椅子に座ろうとしたら、隣に座っていた可愛らしいおばあさんに、ゆっくりした調子で挨拶された。
「こんにちはー」
にっこりと挨拶を返して、腰を下ろした。
なんかのんびりしてていいな、
なんて思いながら、お年寄りたちと一緒に待合室に設置してあるテレビに見入った。