恋の扉をこじあけろ



あれから一週間。


冬実とは会っていない。


冬実はちょうど教職課程のスクーリングで他県に出てしまって、会うタイミングがなかった。

いつも一緒だったお昼も、最近は一人で冷たいお弁当を広げて食べていた。


なんだか気が重い。


全然食が進まなくて、お弁当を半分ほど食べたところで箸を置いた。


このわたしが半分も残すだなんて。


そんなに落ち込むくらいなら、電話とかメールをすればいいじゃないかと思うかもしれないけど、そんなのじゃヤダ。

冬実の口から、ちゃんとわけを聞きたいの。



なんであんなことをしたのか?


それがわかるまで、この気持ちは晴れてくれない。



深く息をつき、さっさとお弁当を包むと席を立った。





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