恋の扉をこじあけろ
憧れた女の子の突然の出現に戸惑うわたしをよそに、先生は今日もスプリントを調整し始めた。
先生が作業しやすいように、女の子が照明をつけり、器具を取ったりしてサポートしている。
わたしの背後で、先生と女の子が何か話している。
ちいさな声で何を話しているかはわからないけど、専門用語がちらほら聞こえてくる。
たぶんお仕事の話なんだろうけど、先生の声はやっぱり優しくて柔らかで素敵で
とても胸が苦しくなった。
時折二人の笑い声が聞こえてくると、わたしだけが取り残されているような気分になった。