恋の扉をこじあけろ
過去と今


のんびりしたエスカレーターを降りている間、ずっと俯いていた。



知らず知らずのうちにこぼしていたため息に、四歩前に乗っていたおばさんが怪訝そうに振り向いた。



先生に癒してもらおうと企んでいたのに、逆にどんより気分が倍増してしまった。

今ごろあの子と的井先生が何を話しているか、気になってしかたない。


これからもずっとペアなのかな…


いやだなぁ。



吸い込まれるようにして病院内のコンビニに入った。


こういうときは、甘いものを食べるに限る。

甘いケーキやプリンは、いつだってわたしを癒してくれるから。


コンビニの中は、白衣の人や、点滴をつけた患者さんがいっぱいいた。

ちょうど賑わう時間帯だったらしい。



目当てのコンビニスイーツは…



ない……






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