TABOO†ねぇ、見ていて…【修正版】~秘密の恋
巧(タクミ)がその男を私達の住むマンションに連れてきたのは、
日付が変わったばかりの深夜だった。
「夜分に突然お邪魔してすみません」
相模(サガミ)と名乗った男は礼儀正しく、
短髪に見上げる程の上背で、肩幅は巧の倍ほど広かった。
「酒を呑む用意をしてくれ。
奈緒、お前も一緒に付き合えよ」
深夜のリビングでローテーブルを囲み、三人で日本酒を呷る。
最近では不機嫌なことが多い巧が、始終上機嫌で饒舌なのが嬉しくて
私は巧に勧められるままいつもより多く呑んでいた。
「あぁ、酒が回ったみたいだ…
悪いが先に休ませてくれ。
相模、始発までゆっくりしていけよ」
一瞬
巧と相模の間で意味深な視線が交わされる。
え?
どういうこと?
私が問いただす間も引き止める間なく、
巧みはさっさと一人で寝室に行ってしまった。