恋影
龍馬達と一緒に藩邸内へと入って行く。長い長い廊下を歩いて行くと、大きな庭に天園が広がっていた。
思わず見惚れてしまい立ち止まる白鳴。
「どうしたんッスか、姉さん?」
「!」
「庭に何かありましたか?」
興味深げに白鳴が見ていた方向を、覗き込むようにしてみる男の子。龍馬の仲間の人だ。
「いえ、別に……。それより、今私のこと姉さんって言いませんでした?」
「はい!俺ずっと女の人には縁がなくて、そう呼べる人がいなかったんス。だから、貴女のことを姉さん、と呼んだんス。」
少し照れ臭そうに言う。それに何か含みがあって言っているわけではなさそうだ。
ただ、純粋にそう呼んだのだろう。
「そうですか。」
「だから、俺のことも好きに呼んでもらってかまいません。俺は【中岡慎太郎】ッス。」
「じゃあ……慎さんで。」
「慎さんッスか。そう呼んでもらえると嬉しいッス。」
なんだか小さな子供みたいに喜ぶ中岡。それだけを見ていても、なんだか和んでくる。とても、周りから命を狙われてるとは思えない。
「そんな所で何をしている?」
「武市さん。」
「早く入りなさい。龍馬達が待っている。」
二人を呼びに来た武市に連れられ、白鳴は龍馬達のいる部屋へと入って行った。
すると、皆のど真ん中にドカンと座っている男と、その横で面倒臭そうに腕を組んでいる男がいた。
白鳴達はその場にそれぞれ座る。
「……なるほど、それが例の迷い子か?」
「そんなにかしこまるな!でも、その年で迷子とはついていないな!マヌケすぎる!アハハハハ…!!」
「確かに、刀を扱える者としては迷子とは本末転倒だな。武士の風上にもおけん。」
いたしかない理由があるとはいえ、ここまで言われるとは……。
なんだか居心地がわるい……。
「………。」
「まあ、そこいらの浪士であったなら、ワシも助けたりはせんよ。じゃが、その言葉は誤りじゃ。」
「……?」
「そりゃあ、どういうことだ?」
龍馬の言葉に、真剣に聞き返してくる二人。
「彼女は女子ぜよ!」
「!!」
「!?」
龍馬の言葉に驚愕する二人。
こんな格好をしているから、男と間違われて仕方がないのだが、そんな顔をされると、どんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。
思わず視線を逸らす白鳴。
思わず見惚れてしまい立ち止まる白鳴。
「どうしたんッスか、姉さん?」
「!」
「庭に何かありましたか?」
興味深げに白鳴が見ていた方向を、覗き込むようにしてみる男の子。龍馬の仲間の人だ。
「いえ、別に……。それより、今私のこと姉さんって言いませんでした?」
「はい!俺ずっと女の人には縁がなくて、そう呼べる人がいなかったんス。だから、貴女のことを姉さん、と呼んだんス。」
少し照れ臭そうに言う。それに何か含みがあって言っているわけではなさそうだ。
ただ、純粋にそう呼んだのだろう。
「そうですか。」
「だから、俺のことも好きに呼んでもらってかまいません。俺は【中岡慎太郎】ッス。」
「じゃあ……慎さんで。」
「慎さんッスか。そう呼んでもらえると嬉しいッス。」
なんだか小さな子供みたいに喜ぶ中岡。それだけを見ていても、なんだか和んでくる。とても、周りから命を狙われてるとは思えない。
「そんな所で何をしている?」
「武市さん。」
「早く入りなさい。龍馬達が待っている。」
二人を呼びに来た武市に連れられ、白鳴は龍馬達のいる部屋へと入って行った。
すると、皆のど真ん中にドカンと座っている男と、その横で面倒臭そうに腕を組んでいる男がいた。
白鳴達はその場にそれぞれ座る。
「……なるほど、それが例の迷い子か?」
「そんなにかしこまるな!でも、その年で迷子とはついていないな!マヌケすぎる!アハハハハ…!!」
「確かに、刀を扱える者としては迷子とは本末転倒だな。武士の風上にもおけん。」
いたしかない理由があるとはいえ、ここまで言われるとは……。
なんだか居心地がわるい……。
「………。」
「まあ、そこいらの浪士であったなら、ワシも助けたりはせんよ。じゃが、その言葉は誤りじゃ。」
「……?」
「そりゃあ、どういうことだ?」
龍馬の言葉に、真剣に聞き返してくる二人。
「彼女は女子ぜよ!」
「!!」
「!?」
龍馬の言葉に驚愕する二人。
こんな格好をしているから、男と間違われて仕方がないのだが、そんな顔をされると、どんな顔をすればいいのか分からなくなってしまう。
思わず視線を逸らす白鳴。