これがいわゆる逆ハーなのか!?
廊下から姿は見えないけど、あの女の大群のゆく末に近衛はいる。
「ねぇー、マスター…じゃなくて
ゼラチンでもなくて…、そう神前ひろって知ってる?」
この声は綾瀬だ。
私とゼラチンをどう間違えたのかはさておき、
これは絶対私を探してるし、多分聞いても意味ない。
「神前ひろー?んー何か聞いたことあるけど忘れちゃった!!」
「ねぇどこから来たのー?」
そうなるだろうと思ってた。
彼らが私を探していることには変わりはないので、
私はひとまず屋上へ逃げることにした。
ガチャン
人がいなくて、下からはキャーキャー聞こえてくる。
気が付くと黄色い声は消えていた。
帰ったの?
そう思って振り向くと、執事が立っていた。
「あ゛っ」
「逃げないでよー」
ここの学校のダサい制服をすでに着こなした彼らは
どうやって女を振り払ってここまで来れたのか。
「逃げないでって…来ないでって言ったじゃん」
「電話でババァに怒られたんだよ」
不機嫌そうに一言。
「それにこれも忘れてるし!」
綾瀬がカバンからお弁当を出してきた。
「え…これ作ってくれたの!?」
「まぁね」
「誰が!?」
「僕だ」
そう答えたのは黒澤だった。
「黒は何でも得意なんだよな」
若干にやつきながらこちらを見るのはよしていただきたい。
イケメンだけどっ
「とりあえず、私の事はほっといて」
「何でそんなに嫌なの?俺等だって女嫌いで…」
「近衛たちには解らないだろうけどさ
女の世界って怖いんだよ」
今まで静かで空気かのようにしていた人に
いきなりみんなのイケメンがきたらさ、
私上履き1つなくなる自信はあるんだよ
「解んないよ。はよ飲むヨーグルト買って」
「そういうこと。」
わかってちょうだい
駄目執事たちよ。