これがいわゆる逆ハーなのか!?
教室に戻ると、蓮可が女子に囲まれていた。
いつもポーカーフェイスの蓮可だが、いつもより焦っているような気がした。
「れーんかあああー」
近衛が叫ぶと女子が発狂したとともに蓮可が来た。
4人でどこかに行くつもりなのか、歩きだした。
図書館で借りた小説の続きが気になるので席に戻ろうとしたら、
綾瀬が愛くるしいうさぎのキーホルダーの首を締めながらこっちに振り向いたので、
恐らく来い、ということだ。
後から何気なくついていくと、
全くひとけのない空き教室。
「蓮可、なんかあった?」
「いや…何も」
「嘘おっしゃい。綾瀬はお見通しなんだから」
「何も隠すことないじゃないか」
そういうと、蓮可は仕方ないとあきらめたみたいだ。
「一之瀬雪乃に告白された」
ほう
「一之瀬って、あの有名な奴じゃん」
「良かったね、蓮可。で、どうしたの?」
「振った」
「シャカシャカチキン!?」
「まあそうだろうな」」
だけれど、別に気になってもいない子に告白されても平気でいるような人たちが、
こんな風になるのはきっと、
雪乃の事が気になっているんだろうな。