これがいわゆる逆ハーなのか!?
バイト
「おっさーん、俺接客とか向いてない派なので厨房がいいでーす」
「最初は厨房に入るわけにはいかないのよ、くそがきども」
早速ウェイター服に着替えている近衛たち。
このオーラはなんだ。
同じ先輩からは出ていない何かがこいつらからは放たれている。
それに、恐らく近衛たちのおかげでこの店は大繁盛するだろう
近衛たち目当てで来る客がほとんどになるに違いない。
「ああああのさ、ぼ、僕はくっ黒豆以外にも作れるんだよ
あ、あれとかさ、ほら、納豆とか…」
突然焦って、話し出した黒澤。
「ごめん、何にしろメニューに納豆ないし、
納豆作れるのって逆にすごいんだけど」
ちょっと褒めたらニタァと黒澤が笑う
「そうだぜ!!黒澤はすげぇんだぜ!!」
「豆に関しては専門家並なんだよ!」
「大豆って、縄文時代からあるんだよ。フン、常識中の常識だけどね」
フサァっと前髪を流してドヤ顔の黒澤に、
豆の豆知識!! 黒澤かっこいい!!と言っていた。
「ていうかバイト先一緒だったんだな」
「こっちも吃驚。一言ぐらい言っててくればいいのに」
「こっちの台詞だよ」
むすーっとなる近衛さん、
「近衛たちはさ、こんな接客よりももっと男だらけのところが良かったんじゃない?」
「そこに面接言ったらさ、場所間違えちゃって」
「近衛、きみって本気で方向音痴なのね」
むしろ尊敬すら覚える。
接客の仕方をあれこれ説明したけど、
奴等の頭に入ったかはわからない。