あい、してた。
★★★
遠ざかる背中
『オレ、結婚する。』
いつものように
セックス
を終えたアツシは、
床に脱ぎ捨てたジーンズのポケットから
煙草を取り出して、
まだ、
余韻に浸ってるあたしに
背中を向けるかたちで
ベッドに座り直すと、
そう、言った。
『え?へぇ〜。誰と?』
ここを使うようになって
どれくらいになるっけ?
見慣れたラブホの天井を
見上げながら、
あたしは呑気な返事をした。