あい、してた。
あたしは、あたしでも知っているハリウッドの俳優が主演のアクション映画を指差した。
『コレ!?』
今度は逆に、ナカノがストレートな反応をした。
『…まぁ、フツーに面白いとは思うけど。じゃあ、時間もちょうどいいし、コレにしようか。』
乗り気じゃないくせにナカノはあたしに合わせてくれた。
チケット売り場で、ナカノがあたしの分まで払おうとして、あたしは慌てて止めた。
『いーよ。おごるって言ったじゃん。誘ったの、オレだし。』
後ろに買う人の列が出来ていたので、いったんナカノに払ってもらったものの、
『はい。あたしの分。』
売り場を離れてからあたしはナカノにお金を差し出した。