あい、してた。
3階の美術室に続く渡り廊下は、
ふだん、美術部の人以外はあまり利用しない。
ヒト気のないその廊下の
端っこまで来ると
チカとサエコはやっと
あたしを解放した。
『もぉ〜。』
座り込んだあたしの隣りに座って
二人がまじまじと
あたしの顔を見つめる。
『何かあたし達に言うこと、ない?』
心あたりがまるでないあたしは
逆に変に動揺して
思わず二人から目を反らした。
『やっぱ、隠してたんだ!!』
チカがあたしの視界に無理矢理入ってきて、
大きな声で言った。
『いつから、ナカノと付き合ってんの!?』
『はぁ!?』
ドシャ降りの朝イチまで
気分がワープしそうになった。