固い彼女【TABOO】

スタジオには、カメラを持った若い男性がいた。
「春斗、久しぶりだな。」
「助かるよ。樹理ちゃんも来てくれたんだ」
(この人、どこかで会ったことあるような・・)
「じゃあ、ライトの下に立ってくれるかな？」
撮影場所に並んで立ち、笑顔を作った。
「樹理ちゃん、表情固いよ。肩も上がってるし」
「す・・すみません」
「こいつ、ずっと人見知りで固い奴だからさ」
何回撮っても、満足いく写真が撮れなかった。
「撮影は、また明日にしよう。樹理ちゃんは、少し残って練習だ。修、かまわないか？」
「あぁ、何日でも貸してやるよ」
そう言って、帰って行った。