ねえ、『好き』だよ?
ふと思う。

あたしは、普通の恋してるの・・・?―

妄想ばっかして、自分で勝手に両思いだー♪なんて、いばったり・・・。
ねえ、どうなんだろう?これって普通なの?普通だといいけどさ。
やっぱ普通じゃないよォ!?あれ?普通なのかな?

「いつからこんなんになった?!」
小声でいったけど、幸に聞こえてしまったみたいで・・・。
「な、何が?」
聞いてくるなァー!
「ぐえッ?どあんにもないよォ~♪」
あぁ・・・あたしってバカだなァ・・・。
こんなチャンスめったにないのにィ。好きな人と隣になるなんてさ。
こんなに緊張して・・・。



「学校終わったァ~☆」
幸のウレシそうな声が、教室に響き渡る。
あたし、返事したいけど、無理だろうに・・・。

「奏!一緒に帰ろ?」
「いいよォ・・・。」
「何?!眠い?!」
その声聞いたら起きたよ、紀里。


「ふァ~・・・。」
あたしは、大きな欠伸をした。
「やっぱ眠いんじゃない????」
「いいじゃ~ん、眠くたって?」
「い、いいけどォ~・・・。つまんない」
へ・・・?つゥことはさ・・・。
「追いかけっこしよーッ!」
来たよ、ほら。
「えー・・・。」
「文句言わないの!」
ふと後ろを見た。

(うっそ~ん!幸がいて、あたしらを見てるじゃん?!)

「奏?!聞いてるー?」
「あぁ、ごめッ!」
「ここから、あっちまでね・・・。」
うぅ・・・遠いよォ!
「よォ~い・・・・・・どんッ!」
きェェ?!速過ぎる!あたし!!こんなに速かったっけ?

でも結局・・・・
「ふァー、ひェー、はァー・・・。」
い・き・ぎ・れ。
遅いなァ・・・あたし。体力全然ねェー。

(え?)
思った瞬間・・・。


幸が横を走ってた。
(きゃー☆やっぱカッコえぇわ。あたしが選んだ価値あるなァ♪)
走っている幸は、いつもよりカッコよく見えた。
髪がちょっと風に揺れ、目は、まっすぐに向いて・・・。
数え切れないほど、カッコよかったよ、幸。
アナタには、もう、なんかついてけない気がする。
どうなんだろう?コレが今のあたしに押し付けられている、学習問題―
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