秘密はばれないように
彼氏がいるのに、大学で・・・・・・
 私、鳥飼美波は彼氏から電話があって、デートの誘いを受けていた。

「ごめん、その日は勉強会の約束があって・・・・・・、また今度にしよう?」

「勉強家だな、美波は。頑張れよ」

「うん、じゃあね」

 携帯の電話を切って時間を確認してから、待ち合わせの場所へ移動した。

「急がないと、絶対に怒っている」

 大学の研究室。ドアには教授の名前が書いてある。

 ノックをせずにドアを開けると、一人の大学教授が椅子に座ってコーヒーを飲みながら待っていた。顔を見ると、明らかに不機嫌になっていて、まずは謝罪した。

「遅れてごめんね」

「他に言うことは?」

「えっと、デートの誘いを断ったよ」

「まだやることがあるよね?」

 大切なことを忘れるところだった。ここで二人きりになったときは必ずーーーー。

「そうだったね」

 研究室の鍵を閉めること。それを実行すると、ようやく彼は両手を広げてくれて、私は迷わずに彼の胸へ飛び込む。
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