スマイル
家に帰るとお姉ちゃんがいた。
なんか気まずい……
「奈央、散歩行かない?」
「良いけど・・・」
二人で家を出た。
河原まで来て、土手に座った。
「小さい頃よく来たよね〜」
私は頷く。
「私ね、奈央が嫌いだったの…」
えっ?
私はお姉ちゃんの方を見た。
「だって、いつも元気でニコニコしてて、友達もいっぱいいたでしょ〜
私は奈央のようにしたくてもできなかった。だから勉強だけは頑張ったんだ〜」
そうなんだ……
「私もお姉ちゃんが嫌いだったよ。みんなお姉ちゃんばっかり誉めてさ〜淋しかった・・・」
「そうだったんだ〜お互いの気持ち知らなかったね。」
うん…私は頷いた。
「旦那と喧嘩して、家を飛び出したの。
帰ってきた理由を誰も聞いてこないし、みんな私に遠慮してるんだね〜」
「違うよ…たぶん……」
「大丈夫よ、分かってるから。」
そう言いながら、お姉ちゃんは携帯を握り締めていた。
アメリカに帰るのかな?