【完】*お引越しラバー*
その瞬間、松橋の目つきが変わった。
「俺のツレに触んなっつってんだろーがよ!!!!」
松橋は、ここら一帯に響き渡る大声を出した。
すごい剣幕だった。
男の人たちもひるんだみたいで。
「うわっ、何なの?こいつ、彼氏?」
「こわーこんな彼氏持ちな女の子は無理だわー」
パッと掴まれていた腕は離され、そそくさと男の人たちは去っていってしまった。
残されたのは、あたしと松橋の二人だけ。
そしたら、お店のドアが開いて。
ヒロさんがちょっと顔を覗かせた。
「洸ちゃん!?大声出してどーしたの?」
「ちょっと、伊奈ちゃんが絡まれたんで…つい。」