†captivity†(休載)

──傷



お昼だし、お店も混んでいる時間帯だから、早く出た方がいいかもしれない。

でも今後をまだ決めてない。

うーんと考えているところでふと奏多くんを見たら、奏多くんが一点を見つめて眉をひそめていた。



その視線を辿ると……5人組の男の子たちがお店に入ってきたところだった。

あ、あれウチの制服だ。



店員さんに案内されてこっちへ来た5人の中の1人と目が合った。

すぐに逸らされた視線は、奏多くんで止まり……彼は歩みを止めた。



あたしたちの隣の席を案内した店員さんはふり返り、この不穏な空気を察知して、戸惑っている。



「お、お客様……」



男は足元に視線を移してから視線を案内された席に移し、何も言わずに店員さんに案内された席に座った。

続いて4人があたしたちの席を通り過ぎて、席へと座る。



……みんな、一度奏多くんを見てから、視線を逸らしていた。



中には睨んでいる人までいた。
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