†captivity†(休載)
奏多くんは無言で立ち上がり、荷物を持った。
「……行くの?」
こくん、頷いた奏多くんは……泣きそうな表情をしていた。
無言で歩く奏多くんと、一階に行った時、奏多くんが口を開いた。
「この後時間ある……?」
「あ、あるよ、奏多くん」
奏多くんの声は、今にも消えそうで、聞き逃しそうで……元気のない声だった。
「うち、きて」
「うん、どこにでもついて行くよ、奏多くん……て、え?」
うち、きて……?
家来……て……って。
「……奏多くん家?」
こくり、奏多くんは頷いた。