†captivity†(休載)


「奏多くん。あたしは奏多くんが話してくれる事なら、何でも聞きたい。楽しい事も辛い事も、過去も未来も関係なく、何でも聞きたいよ」

「後悔、しない?怖くならない?」

「あたしは、奏多くんをもっと知りたいよ。奏多くんの苦しみを共有して、あたしが半分苦しいのを貰うよ。半分こしたらきっと、奏多くんも楽になるから。ね、話して」



奏多くんはもっと人に頼るべきだ。

確かに救われたのかもしれない、でも、それでもきっとあんな風に……無視されたりにらまれたりする事は、苦しい事だと思うから。



「友達なんだから、何でも話して」

「……うん」



奏多くんは、ようやく不安そうな表情を和らげた。

それをみて、あたしもようやく少し安心した。



「さっき、お店で、ごめんなさい」

「お店で……奏多くんが謝るようなこと、あった?」

「あの五人。和歌、嫌な思い、しなかったかなって」

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