†captivity†(休載)


だって、そんな……自分を責めるような言葉は聞きたくないよ。

あたしは奏多くんの目を真剣に見つめた。

伝わってほしいから。



「あたしは、奏多くんが大好きだよ」

「……」

「大好きで、大切で、弟みたいに可愛いんだよ」



もう一人の弟みたいで。

放っておけない。



「どんな奏多くんでも、あたしは見捨てたりしないし、いつまでも奏多くんの味方だよ」

「和歌……」

「緒方先輩だって、東先輩だっている。奏多くんの味方、ちゃんといるんだからね」



奏多くんの隣に座って、奏多くんの手を握る。



「奏多くん、嫌じゃなかったらでいいの。奏多くんの過去、ちゃんと知りたい」



奏多くん視点で、ちゃんと。



「ごめんね、少しだけ、奏多くんと同じ中学だった人に事情を聞いちゃって」



奏多くんの瞳が、不安でいっぱいになる。

怖いのか、嫌なのか……多分、あたしがどう思ったのか、離れていかないかが不安なんだと思う。
< 113 / 392 >

この作品をシェア

pagetop