†captivity†(休載)
だって、そんな……自分を責めるような言葉は聞きたくないよ。
あたしは奏多くんの目を真剣に見つめた。
伝わってほしいから。
「あたしは、奏多くんが大好きだよ」
「……」
「大好きで、大切で、弟みたいに可愛いんだよ」
もう一人の弟みたいで。
放っておけない。
「どんな奏多くんでも、あたしは見捨てたりしないし、いつまでも奏多くんの味方だよ」
「和歌……」
「緒方先輩だって、東先輩だっている。奏多くんの味方、ちゃんといるんだからね」
奏多くんの隣に座って、奏多くんの手を握る。
「奏多くん、嫌じゃなかったらでいいの。奏多くんの過去、ちゃんと知りたい」
奏多くん視点で、ちゃんと。
「ごめんね、少しだけ、奏多くんと同じ中学だった人に事情を聞いちゃって」
奏多くんの瞳が、不安でいっぱいになる。
怖いのか、嫌なのか……多分、あたしがどう思ったのか、離れていかないかが不安なんだと思う。