†captivity†(休載)


あたしがそう沈んでいると、緒方先輩は珍しくフォローの言葉をくれた。



「今頃頭整理してんだよ。逃げてるだけだったらアイツは今も関係ないフリしてここにいるはずだ」



そう言われてしまうと……もう少し待っててもいいような気がしてくる。





そんな緒方先輩の言葉通り、東先輩は3日後にこの教室に来ていた。



──奏多くんにひっつかまえられて。



「……か、奏多くん?」

「廊下で、見つけたから」

「チッ」



東先輩に舌打ちされた。



どうやら、今日は東先輩が学校に来ていたらしく、偶然鉢合わせた奏多くんが捕まえて来た、ということらしい。

なんとも勇者、奏多くん。

この様子だと、東先輩も奏多くんを振り払えなかったらしい。

ちなみに一緒に灯くんもご登場だ。



まぁ可愛いものには誰も適わないってことだよね。



ちなみにここにはいない緒方先輩は、一体どこへ行ったんだろうか?

まぁいっか。



そんな東先輩を見上げつつ、疑問をぶつける。



「今まで、何してたんですか」

「君には関係ない」

「答えは、出たんですか」

「……なんの?」

< 145 / 392 >

この作品をシェア

pagetop