†captivity†(休載)
「心は心が汚いから、すぐバレるんだよね。つまらない」
「鋭いって言えよ。コイツ、お前らがバカ正直で嘘付けねぇことわかってるから、はなから疑う価値もないと思ってるからな」
あたしは……いや、あたしたち3人は、無言で固まった。
……恐らく、『お前ら』の中には、灯くんも入っているんだろう。
緒方先輩の瞳が、あたしたちに順に視線を向けたことが証拠だ。
……なにさ、疑う価値もないとか。
「そうだね。心はうまい嘘つけるけど、嘘つくほど優しくも最低でもない。どちらかといえば、隠すかな」
東先輩は、どうやら分析が得意らしい。
「君たちが嘘つけるほど頭が良くないことは知ってるから疑ってない。安心しなよ」
「嬉しくないんですけど」
そういってこの話は幕をひいた。
なんだか誤魔化された感がハンパない。
それは、まだ話すに足りる信頼がないということだろうか?
きっとそういうことだと思う。
──なんだかんだで、灯くんは受け入れられていた。
東先輩にも、また仲良くしたいって気持ちがあるのかな?と思ったら、少し嬉しくなった。