†captivity†(休載)
──目覚めに
『──僕は、失敗作だったから』
夢を見た。
彼の夢。
名前も覚えていない、彼。
でも、記憶に強く強く残っている、彼。
家出をしたという彼は今、どうしているだろう?
どこで何をしているんだろう?
あの後、ちゃんと家に帰ったのかな?
またおさぼりしてたりしないかな。
──また、会いたいよ。
『 』
無意識に、彼の名前を呼んだ気がした。
それと同時に、まっ白な夢の世界から切り離されて、スッと、現実に戻される感覚。
ここは──緒方先輩の家だった。