†captivity†(休載)


はぁ、ひとつ、ため息をつく。

いくら考えたところで、この頑固な緒方先輩が許してくれる案なんて思いつかない。

ここは、どうにかして阻止してやろう。

例えば徹夜でゲームとか。

あれ、緒方先輩ってゲームするのかな?



しなそう?

というか一緒にいるとき何もしてない。



奏多くんはあたしと話すか料理してる。

東先輩は文庫読んでる。



緒方先輩はいつも……ねて、る?のかな?

でも呼べば返事するし。

……謎すぎる。



まぁ、いざとなったらあたしが夜中に連れ出してどこかいこう。

そしてテストが終わるまで寝不足にして学校に行けないようにしてやる。

緒方先輩のモノになるなんて、冗談じゃない。

酷い扱いされるに決まってる。



あ、でもそうすると、あたしも寝不足でテスト受けられないじゃないか?



「馬歌」

「わ、和歌です。なんですか」



心の内を見透かされたかのようなタイミングに、あたしは少々ビビってしまった。
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