†captivity†(休載)

この男、これからずっとあたしを馬歌呼ばわりする気だろうか?



「あいつら、先帰ったからな。今はお前しかいない」





















──はぁ!?









とんでもないことを言われた。

今この部屋には二人だけだと、告げられた。



すっかりと顔色の戻った緒方先輩が口を開いたと思ったら……忘れていたけれど東先輩と奏多くんはもう帰ったらしい。



「なんで起こしてくれなかったんですか!奏多くんのいない緒方先輩の部屋なんてあたしのいる意味ないじゃないですか!」



とにかく、恥ずかしい。

誰もいない中、ぷーすか寝ていたなんて。

なんたる屈辱。



緒方先輩と二人きりだって、別に本当はそこまで嫌ってわけじゃないけど、恥ずかし過ぎて死にそうだから、勢いで言ってしまっただけだ。

奏多くんがいないと意味がないなんて、少し言い過ぎてしまったかもしれない。
< 160 / 392 >

この作品をシェア

pagetop