†captivity†(休載)
なんですかその嫌な笑みは。
「大切な時間って……?」
「和歌彼氏出来たんじゃないの?」
「……なんのこと?」
「は?」
知歌の言っていることがサッパリわからないあたしは、知歌に問いかける。
知歌はキョトンとした顔を向けるけど、こっちが『は?』だ。
すると。
「首にキスマーク付いてるんだけど」
「……は!?」
「かなり濃いの」
……信じられない。
いや、信じたくない。
あたしは知歌から離れて近くにあった鏡を掴んで首を見た。
赤い。
そこだけ赤いのだ。
しかも濃い。
それに時間が経っているようには見えない。
虫さされとかの類とは明らかに違う赤み。
そもそも、そんなのいつつけられたのかすら──ん?
そこまで思って、ハッとなる。
この位置、緒方先輩に噛まれた場所だ。
「奴か!」
あたしは拳を握りしめた。