†captivity†(休載)


あぁ、分かるようになってきてしまう程、今まで一緒にいたのか……。

いや違うな。

わかりやすく失礼なんだ、この二人が。



一週間は東先輩はいなかったけど、それ以外はほとんど毎日のように一緒にいるからなぁ。



見渡すと、奏多くんはいない。

どうやら真面目に授業らしい。



「和歌?」

「緒方先輩、寝かせてください」

















それだけ言って、あたしは緒方先輩のところに行った。

確か彼はここに布団を置いていたはずだから、借りて仮眠しよう。



……とするも、なぜか緒方先輩が驚いた瞳を向けている。

東先輩まで、驚いたような困ったような、複雑な顔をしている。



「どうしました?」



まずは東先輩が口を開いた。



「首……」



くび?

次に緒方先輩が口を開いた。



「お、おま、あんなことされたくせに……」



二人は何を言いたいんだろうか?

あたしは眠気も手伝いよくわからない。



「心がしたの?あれ」

「あ?あ……」



二人の視線は、あたしの首に集中している。
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