†captivity†(休載)
「緒方先輩のバカ!!もう先輩なんてどうでもいいし!なんてことしてくれたのよ!」
あたしはついに──敬語の壁を破っていた。
まぁあれだよね、反抗、みたいな。
そして今日は教室行けないな、帰ろうかな、なんて思ったけれど、叫んだ直後にクラリ、目眩がした。
ダメ、眠気が限界だ。
あたしは今なら立ったままでも意識飛ばせる。
あ、ヤバい……キた。
「言いたいことは山ほどあるけど……緒方先輩、もうなんでもいいからお布団かして……」
「え?は?」
「それかかけて、起きたら帰るから……」
クラリ、意識が一瞬とんだ。
あたしは近くの椅子に座って、腕枕をして頭を伏せた。
……三秒したらもう、落ちていた。
目が覚めた時には、目の前にあたしを覗き込むように見ている奏多くんがいた。
「和歌……?」
パチパチと、まばたきをする。
「かなた、くん?」