†captivity†(休載)


状況が掴めない。

真横から覗き込む奏多くん。

その奥に……よく見たら緒方先輩らしき髪の毛がチラチラ。



「奏多、近ぇ」



そう言った緒方先輩の声が聞こえた。



「あ、うん」



あたしから少し離れた奏多くんの代わりに、緒方先輩がはっきりと現れた。



「大丈夫?」



そう尋ねてくる奏多くんは、どうやらあたしの心配をしてくれていた様子。



「大丈夫だよ、眠かっただけなの」



だんだん、意識がはっきりとしていく。

後頭部、熱いなぁ。

よく見れば緒方先輩の後には天井が見える。

どうやら仰向けにしてもらったらしい。



……そこでおかしなことに気づいてしまった。

頭が熱い。

布団とか枕とかの熱じゃなくて、その……体温チックなものが頭の下にある気がする。

真横をみると、ものすごく近くに緒方先輩のシャツがあって、シャツがあって、シャツ、が……。





そこから下は、あたしの頭の下に続いていた。










「うぎゃっ!?」

「あ?」

「はぁ!?」








まぁつまり。

いつの間にか膝枕されていた。
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