†captivity†(休載)
「藤崎和歌」
「はい……?」
ふと、あたしの名前を呼ばれて、理事長に振り向いた。
「アンタのこと、アタシはもっと知りたいんだよ」
「……は、はぁ」
いきなりですね理事長。
しかしそう言われても、困る。
「変なこと吹き込むなよ?」
「吹き込んだりなんてしないよ。ただちょっと、アンタらがどこまで進んでるのかが気になってね」
「進む……?」
あたしと……緒方先輩?
そりゃ、まぁ、仲良くはなってきてると思うけど。
家行ったりもしてるし。
「テメっ!」
「だってソレ、付けたの心だろう?」
それ、そう言われてあたしは首もとを指された。
そう、そこには……コンシーラー先輩をし忘れたままの、むき出しの、首。
マークの付いたままだろう、首。
「ひゃあっ!!」
バッと首を手で隠す。
理事長に、理事長にバレてしまった……!?