†captivity†(休載)


「黙れ!なんでテメーがそれを……」

「あぁ、東悟くんから聞いた」

「悟のヤロウ……ぶっ殺す」



ようやく口を開いた緒方先輩の言葉によって、緒方先輩が理事長に話したわけではないことが判明した。

というか東先輩マジ黙らす。



そんなあたしが末期な中でも親子喧嘩は繰り広げられ、いつしか標的は東先輩になっていたもよう。

ざまぁ……なんて思いつつ、とりあえず緒方先輩も黙らすことに意識を向ける。



「あの、緒方先輩、落ち着いて……」

「わっ!?」



緒方先輩を宥めに行くと、ビクッと驚かれた。

どうやら理事長につっかかるのに気を取られてあたしの存在を忘れていたみたいだ。

心なしかお顔がほんのり赤い。



「緒方先輩……熱でもあるんじゃないですか?」



だからそんなに不安定なんじゃ……という心配の気持ちで言ったのに。



「ねーよ馬歌!」



台無しだ。

イラッ。



「だから馬歌じゃなくて和歌ですってば!」

「あ?どっちだっていいだろ馬歌」

「バカバカ言わないでよ!」
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