†captivity†(休載)
今度はあたしと緒方先輩の口喧嘩を始めてしまった。
ったくこの人誰と話しても喧嘩か!?
あぁもうやだ、こんなことならあたしも奏多くんと一緒に教室帰っとけばよかった!
「まぁまぁそう喧嘩するな。元気になったようだな、藤崎和歌」
「へ!?あ、はい」
理事長は優しくあたしにそう言うと、ソファーの端に腰掛けた。
理事長に話しかけられたことにより、意識は緒方先輩から理事長へ。
少し熱が冷めたようだ。
「ほらおいで。膝枕してやるよ」
「……」
と思ったら、今度は膝枕ネタだった。
この親子はソファーがあればとりあえず膝枕という思考回路に働くのだろうか。
「来ないのか?今ならお前を娘のように可愛がれる自信がある」
困惑。
理事長はまた、にやりとした笑みを見せた。
「そして嫉妬に苦しむがいい」
「マジお前キエロ」
また親子喧嘩??
このエンドレスな状況をどうにも出来ないままあたしはここで一時間を過ごし、そして結局放課後まで教室に行くことはなかった。