†captivity†(休載)
なにがどうしてそうなったのかは分からないけれど、あたしは東先輩を怒らせてしまったらしい。
だって怒りの矛先があたしに向いているから。
おどおどしながらも東先輩の言葉の続きを聞く。
「テメーは、テメーでしたこと忘れてんのか?」
「ひゃい……!?」
あたしは未だ頭を捕まれたまま、そんなよくわからないことを言われていた。
なんだあたしなにをした!?
「チッ……だから反対だったんだ」
呟きが聞こえた。
え、なに、なにが反対?
なんてパニックになっていると、心なしかどんどん東先輩の指先に力が入ってきているような気がする。
心なしか頭部に食い込んで来ているような……。
イタイ、イタイイタイイタイこめかみやめて!
悪意を感じる攻撃に地味に耐えながら、あたしも反抗する。
「なななななにですか!なにしたですかあたし!」
かみまみた!
てかカタコトになっちゃった。
「……死ね」
マジでなんなのこの人なんで今日一段とトゲトゲしてんの!?
「放課後、逃げられると思うなよ」
それだけ言うと、東先輩の掌がパッと頭から離れた。