†captivity†(休載)


ついに思い出したことを告白してしまった。

するとようやく離れてくれた緒方先輩に、一安心。



そして今度はその現実に……ショックを隠し切れなくて頭を抱える。

なんということだ、ショックで記憶を偽造しちゃいそうだ。



だって。



チラリ、彼を見てため息をこぼす。

どうしてこうなった。



あの無表情でマジメでメガネなリュック少年が……不良少年に。



「残念すぎる」

「あ?」

「あんなに可愛かったのに……」



確かに、確かになに考えてるのか未だに謎なところは、面影が残ってる。

東先輩は確かヒントは性格とか言ってたけど、全然……あれ、でも確か再会した当初冷たかったな。



あの頃の真面目さはどこへやら……あの後彼は本当にサボりが身についてしまったらしい。

『たまにはさぼりもいいかも』なんて言っていたような気がしなくもない。

でもたまにどころか毎日サボるような子になったんだね、キミ。



「……はぁ」

「んだよ」



現実って残酷ね……。



「なんかムカつくな。思い出したくせに」

「思いだしたくなかったかも。あの子にはいつまでも天使のままでいてほしかった……」



切実に。
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