†captivity†(休載)


ここからどうすればいいのかもわからず、とりあえず緒方先輩から離れた手がちょうど顔の近くにあったため、両手で顔を隠してみた。



「何してやがる」

「……み、見ないで!」

「見せろよ」

「や、やだってば、今ちょっとダメだから」



なんて抵抗もむなしく、手首を掴まれて頭の上にひとくくりにされてしまう。

するともちろん顔のガードはなくなるわけで、緒方先輩も近いわけで……。



「近いよ……」

「黙って目でもつぶっとけ」



どうやら第二のラブ展開に持ってくらしい。

緒方先輩の瞳がどことなく柔らかい。

さっきしたよね、したばっかりだったのにまだするの!?

だってあたしたち……



瞼に落とされた唇に反応して、目をつむってしまった。

そして彼は躊躇もなく私の唇に二度目のキスを落とした。



あたしたち……付き合ってないのに。

なんでキスなんてしてるんだろう。



ぼんやりと意識が呑み込まれていくようなキスに、あたしまでながされてしまいそうになる。

こんなことするのは初めてで、緒方先輩は簡単にあたしの初めてを攫っていく。



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