†captivity†(休載)
もう何が何だかわからないくらいに思考がぐちゃぐちゃして、今二人の絡まっているものが舌だということと、息苦しいということしかわららない。
一息ついたらまた唇を奪われる。
それを繰り返していた内に頭の隅にあった『抵抗』という言葉が消え失せていくのを感じた。
抵抗しなければいけない。
でもなぜ抵抗するのか、思考がマヒしているのかよくわからないんだ。
だって彼のキスは温かくて柔らかくて、あたしを想いながらも情熱的に求めている。
「和歌」
「心……くん?」
「和歌……!」
ギュッと強く抱き締められる。
それに抵抗しようとは思わなかった。
「ごめん……和歌」
「……どうしたの?」
「和歌が好きで好きでたまんねぇんだよ」
さらにギュッと強くなる力。
緒方先輩の急な告白に、あたしの思考回路は再び停止する。
抱き締められたまま、あたしは答えられずにいた。
『知歌』
今ここでOKしてしまったら知歌が不幸になっちゃう。
私の中からNOという選択肢はなくなっていた。
気付いてしまった、私は彼が……緒方心が好きなんじゃないのか。