†captivity†(休載)
そうしてみると、俺は過去になにがあっても誰にも相談というものをしたことがなかったことを思い出した。
誰にも、どんな小さなことでも……だって和歌がいたからなんでも乗り越えてこれた。
その度に劣等感を蓄積していったのは、俺自身だ。
頼まれたことを断れないのも、嫌われることが嫌だと思う自分のせいだし、ひたすら自分と向き合うことから逃げて来た自分のせいだ。
いつしか使うのに都合のいい男になり、俺自身の性格も自分でわけがわからなくなってきて。
自分がわからなくなって。
でも悪いのは全部自分自身なんだからこの気持ちを誰かに話すことはやっぱり和歌の悪口になってしまう。
人に話す恐怖からまた逃げて、蓄積されてひどくなる。
頑なに自分の気持ちを話せなくなる。
人間全てを敵のように感じるようになり、そしてそれが人間不信に繋がってしまったことに気付いた。
世界の人から嫌われてるんじゃないか、和歌にすら嫌われてしまうんじゃないか。
怖い、怖い、怖いよ。